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2023.01.27
かっこいいのにかっこつけない!デザインセンスの塊…設計事務所FHAMS福本さんとマシンガントーク【神田が行く!】~前編~

どうも、奈月です☽

本日は、大好評『神田が行く!』第七回!

 

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『神田が行く!』とは・・
SIGHTS KYOTOのマネージャーかんちゃんが、SIGHTSに関わる京都の方や企業さんを訪れて実際に体験し、お話を伺うことで”理解を深めよう!”という企画です。
SIGHTS KYOTOのバーや物販では、京都の素晴らしい商品を使わせていただいています。ですが!まずはSIGHTSの顔であるかんちゃんが勉強しないことには、お客様にもその魅力をしっかりお伝えできません。。
だから神田は行くんです!どこまででも!
時には京都の外にまで出て行ってしまうかも…?
体験者かんちゃん、ライター奈月、ボイスレコーダー西澤の3名体制でお送りします!

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SIGHTS KYOTO内装・インテリアデザイン、そして施工までを手がけた、京都の設計事務所「FHAMS(ファムス)」。
めちゃくちゃかっこいいデザインをされるのに、まったくというほどメディアに出ないこの方々。

その中でも私が「絶対この人に内装デザインをお願いしたい!!」と強く想い続けていたのが、一級建築士の福本佑樹さん
この方の美的感覚センスには、絶大な信頼を置いているのです。

私たちがどのようにFHAMSを知り、なぜSIGHTS KYOTOの内装を頼んだのか。どのようにアプローチしたのか…などはまた別のブログでミッチリと書かせていただくとして…

今回はかんちゃんがFHAMSのオフィスへ潜入し、SIGHTSの内装を語る上では欠かせない福本さんにインタビューしてきました!
福本さんが繰り出す、THE大阪人テンポマシンガントークが大好き!

FHAMSとは、いったいどんな会社?福本さんとは、どんな人?
さぁ、かんちゃん!掘り下げてこい!!

 

FHAMSオフィスに潜入!

 

「わぁ~お洒落!!」

 

メディアに出ないFHAMSの実態を探る!!

かんちゃん 「FHAMSについて、福本さんについてのインタビュー記事めちゃくちゃ探したんですけど全然なくて。唯一見つけたのが2004年の福本さんのインタビュー記事ですよ!18年前!」

福本さん 「講演とかはあるけど、文章で残っているようなインタビューはたしかにないかも。基本、表に出ていないからな。」

かんちゃん 「FHAMSの中だと、誰が表にでる役目なんですか?」

福本さん 「誰も出てへんな。というか、出たがらへん!打ち合わせには僕が出るけど、メディアには出ていないな。別に避けているわけじゃなくて、要望があれば出るけど…自分から出ていかないからそういうの嫌なんかなぁと思われてる?恥ずかしいだけなんやけど…。」

かんちゃん 「恥ずかしいは絶対うそでしょ!(笑) あ、でもFHAMSのホームページにはメンバー皆さんの名前と顔写真が載っているじゃないですか?アーティスト写真みたいな。あれめっちゃかっこいいですよね。」

福本さん 「あれは僕がやろうと言い出した。うちみたいな会社って大手でもないしメディアにも出ないから、得体が知れないやん。お客さんから信頼を得るためには実績がすべてやと自分らは思っていたけど、どこ出身の誰かぐらいは分かるように名前と顔写真を載せようか、と。でもカラーやったら恥ずかしいし、かっこつけるのも嫌やし。喋っている間の自然な姿を撮ってもらって、モノクロにしてもらった。」

かんちゃん 「照れ隠しの結果、めっちゃかっこいい写真になっていますよ!あと思っていたんですけど、FHAMSって名前の付け方、KAT-TUNと一緒ですよね!?」

福本さん 「え、どういうこと?」

かんちゃん 「KAT-TUNってメンバーの頭文字とってるんですよ。FHAMSも結成時の5人の頭文字ですよね?」

福本さん 「あぁ~そうそう!僕らからすると、チームで建築設計事務所やっているところって、例えばオランダの【MVRDV】みたいに連名をかっこよく言うイメージがあって。『俺が、俺が!』ではなくて、みんなで始めたしみんなの名前を入れよう、と。京都精華大学時代の学園祭でみんなでお店をだしたときに言い出したのが始まりかな。」

 

厳しい建築の世界…どうせなら楽しいことやろうぜ

かんちゃん 「大学卒業後すぐにFHAMSとしてお仕事をスタートさせたわけではないんですよね。」

福本さん 「うん、みんなそれぞれ別の仕事をしていた。料理屋でアルバイトしていたり、アーティスト作家のもとで修業をしながら現場の仕事を手伝っていたり。僕らの時代は就職氷河期で、僕は東京の設計事務所に入ったけど初任給は10万円ぐらい。」

かんちゃん 「東京の設計事務所で師匠についていたときはショッピングモールも担当していたり…と記事で拝見しました。」

福本さん 「そうそう。建築の世界に入ったときの夢・理想は『とにかくかっこいいものをつくる!』『もっと最新のデザインを!』やったから、その頃の自分にとったらショッピングモールなんて…と目も行かへんかった。『なんで花柄のデザインにせなあかんねん!!』『俺は黒い服しか着たくない!!』ぐらいの気持ち。(笑) その当時はもう反骨精神みたいな感じで、東京の街を歩いていても『車乗ってるヤツ腹立つ!!』とかも思ってたなぁ。」

かんちゃん 「かなりトガッてますね!キレッキレ!(笑)」

福本さん 「それに建築の世界は華やかに見えるけど、責任のなすりつけ合い。そっちが悪い!と言い合うような世界。言った、言わない、にならないように書類を交わして…お互い責任負いたくないからね。先輩が設計していた分譲マンションで、誰のミスなのか分からへんけど5ミリの差でエアコンが入らへんかった。どうなったかというと、まず発注したエアコンは全部買い取って、その上で新しいエアコンに全部入れ替えて何千万円の損失…。設計費なんぼやねんって話。就職困難な時代やったけど、就職しても自分の理想とは違った世界。先がない、将来も暗いのに、こんなにしんどいの意味がない…と思っていた。」

かんちゃん 「その辺りで、京都に戻ろうかなと考えていたんですね。東京の設計事務所を辞めて自分たちでやっていくことに、怖さはなかったですか?」

福本さん 「どっちにいっても怖いやん。あのまま東京でやっていても、京都に戻って自分らでやっても。そこである種、諦めたというか開き直ったというか。『どうせしんどいんやったら、自分らで楽しいことやろうぜ!』って。FHAMSの他のメンバーはすでに友達のバーをつくりはじめていて、東京にいながら『みんな楽しそうやなぁ…』と思っていた。お金がなくても、現場の仕事手伝いながらでなんとかなる。みんなで集まってやってみて、あかんかってもまたやり直せるやろ、と。」

かんちゃん 「『どうせなら楽しもう』って、FHAMSさんらしくてかっこいいです!今はクライアントからの要望と、福本さん自身の意思はどういうふうにバランスを取られているんですか?」

福本さん 「クライアントからの条件や予算を聞かないと僕らは設計図を描けないし、話を聞きながら『それはできないけど、これやったらできるかな』とか『構造上ここは直さないといけないから、やろう』とか提案してバランスを取っている。」

かんちゃん 「ご自身が設計・デザインしたものも、引渡ししたらもうクライアントのものになるじゃないですか。自分が関わった建物や空間への思い入れはどう見出していらっしゃるんですか?」

福本さん 「やっぱりお客さんの反応やね。『FHAMSにやってもらって嬉しい!よかった!』という気持ちが見れたらそれが一番!どれだけ自分たちがいいと思っても、お客さんが思っていなかったらあかん。・・・さっきの話じゃないけど、この世界では名前の通っている建築家が裁判沙汰になっていることがめちゃくちゃ多い。そんなんばっかり!そういうのを見てると、『裁判になってまで自分の欲求をお客さんに言うか?!』と思うし…有名な建築雑誌もなんでそういう人を取り上げるねん!!」

かんちゃん 「やばいやばい。福本さん、ヒートアップしています!」

 

ターニングポイントとなった【フォーチュンガーデン京都】

かんちゃん 「これまでの案件で、最も印象深かったものは?」

福本さん 「ターニングポイントという意味で言うと、やっぱり【フォーチュンガーデン京都】やね。」

かんちゃん 「いまや京都では誰もが知る結婚式場ですもんね…。モダンな近代建築(島津製作所旧本社ビル)をリノベーションしたあの空間は本当に素敵です。それ以前と以降で、お仕事の依頼の量は変わりましたか?」

福本さん 「そりゃぁ、雲泥の差!確実にそこから仕事は増えたなぁ。それに、それまで僕らがやったもので1番大きかった物件が110坪。それでヒイヒイ言うてたのに、フォーチュンガーデンはそれの10倍の広さやったからね。30代半ばぐらいでその話があったんかな…ほんまビックリしたで。」

かんちゃん 「どんなキッカケでお話があったんですか?」

福本さん 「まずフォーチュンガーデンの話がくる2年ぐらい前に携わったプロジェクトが、東京駅目の前のお店やってん。次いつこんなところの仕事があるか分からへんし、『せっかくやから、建築写真家に写真撮ってもらおうか!』と。ある建築写真家の方に撮ってもらいたくて…でも超有名人やし、まずメールで問い合わせしてみたけど返事がない。思い切って電話してみたら女性が出て、『僕らFHAMS言います!』って言ったけどもちろん知られていない。伝えておきます…とのことやったけど、『やっぱりあかんか…こんな無名なヤツ』って思ってた。

そうしたら後日、本人から『電話ありがとう!いいよ、撮るよ!』って電話がかかってきてん。撮影してもらって、初めて商店建築にも載った。それまで知り合いに1物件数万円で撮ってもらっていたけど、そのときの撮影代は数十万円と桁違い。設計料考えたら赤字。でも撮ってもらいたい人に撮影してもらって、雑誌にも載って宣伝にもなったし、少しは日の目浴びることができたかな~てみんなで言っててん。」

 

 

福本さん 「ほんでや。しばらくして2年越しにまたその方から電話がかかってきてん。『島津製作所を結婚式場にするプロジェクトをやらないか?』と言っている人がいるから紹介したい、と。それが【Plan・Do・See】の野田社長やったんよ。」

かんちゃん 「お~!!」

福本さん 「京都で融通きく設計事務所を探していた野田さんに、僕らのこと思い出して話してくれたみたいで。」

かんちゃん 「あのときの数十万円がここにきて繋がるとは…」

福本さん 「後日Plan・Do・Seeの社員の方が僕らのところに来て、『ほんまにこの人らに頼んで大丈夫?』みたいな顔してるねん。(笑) どういう仕事しているんですか…?みたいな。そりゃあそうやんな。『結婚式場やったことは?』って聞かれても『やったことないです。』やし、『できますか?』って聞かれても『…頑張ります!』としか言いようがない。ところが、東京戻って社員の方が野田さんに報告したら、『じゃあやらせればいいじゃん。』て言われた、と。」

かんちゃん 「え~!?社長!!(笑)」

福本さん 「僕も『え~・・野田社長、なんでそんなこと言うの・・?』って思った。(笑) ほんま、すごい人やで。」

かんちゃん 「突然、話が大きすぎてビックリしますよね。そこからその案件はすぐに決まったんですか?」

福本さん 「いや、図面描いて、めっちゃ緊張して初回のプレゼンしたら『やっぱだめだな。』って目の前で野田さんに言われてん。『他の人に頼むよ。ごめんね。』って。でもそこで僕が、『・・ちょっと待ってください!あと10日ください!!』と。」

かんちゃん 「お~!!ドラマみたい!」

福本さん 「実は僕、その次の週にニューヨークに行くことになっていて。そこから社員の方に野田さんの好きそうなものをちゃんとリサーチして、ニューヨークでバァ~っとまた図面描いて…帰国後に見せたら『うん、いいじゃん!』って言われて決まった。」

かんちゃん 「いや~痺れますね…その話はドラマティックや…。」

福本さん 「おかげさまでフォーチュンガーデンはめちゃくちゃ繁盛して、僕らもそこから一気に仕事が増えた。ほんまにあれがターニングポイントになったし、今も野田社長はすごい人やし…おもしろい人やなぁと思うなぁ。」

 

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福本さんの話は、まだまだ終わりません。

次回、後編では西澤が惚れ込む福本さんの【感覚とセンス】に迫ります。

 

お楽しみに!!

 

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