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みなさん、こんにちは!インターン生・梅田の【梅ブログ】のお時間です。

今回は、“現在これからの京都観光”についてみなさんと一緒に考えたいと思います!

みなさんご存じの通り、“観光”は京都の主要産業であり、この街には多くの観光客が来ています。何気なくSIGHTSに来るまでの道を歩いていると、海外からの観光客大きなスーツケースを持った日本人観光客を見かけるという方も少なくはないはずです。みなさんがふんわりと感じている“京都の観光”の現状を、改めて数字と一緒に見てみましょう!

 

数字で見る“京都観光”

冒頭でお話したように、観光業は京都の主要産業であり、観光による税収効果は市税収入の12.8%を占める390億円と京都市にとって欠かせないものとなっています。みなさんは今の観光にどんなイメージを持っていますか?

『海外の人が増えている?』 『人が増えてオーバーツーリズムが加速している?』

では本当の観光の現状はどうでしょうか?

まずは京都市を訪れる観光客数を見てみましょう!令和4年(2022年)、京都市には4,361万人の観光客が訪れました。コロナ前からの観光客数の推移を見てみると、コロナ前の2019年には5,352万人、コロナ禍の2020年には2,159万人、2021年には2,102万人、そしてアフターコロナの2022年には4,361万人が京都を訪れました。直近の4年間を見てみると、京都市の観光客数は回復傾向にあり年々増えているように思います。

しかし、より長いスパンで京都への観光客数の推移を見てみると2015年に5,684万人、2016年に5,522万人、2017年に5,362万人、2018年に5,275万人と実は微減傾向にあります。

こんなにも毎日、多くの観光客を目にしているのに微減傾向にあるなんて意外ですよね。特にSIGHTSのある東山区、河原町駅や八坂神社、清水寺では常に海外観光客を目にします。

そんな海外観光客はいったい、全体のどれくらいの割合を占めているのでしょうか?

もっと多いような気がしますが、実は海外観光客は日本人観光客に対して約20%、なんと5人に1人なんです。人数で見ると思っていたほど多くないのですが、一部の観光地への海外観光客の密集がオーバーツーリズムを感じさせるのかもしれません。

では、観光客による京都市内での一人当たりの消費額はどうでしょう。

人数は少なかったものの、消費額で見てみると海外観光客の方が日本人観光客に比べ約2倍以上のお金を京都に落としているという現状が分かります。

観光業で京都が支えられている一方で、観光が地域住民に与える負の影響、いわゆるオーバーツーリズムも少なくありません。このような課題を抱える京都の観光は今、『持続的な観光』を目指しています。では、京都の観光を持続的なものにするため具体的にどのような取り組みが行われているのでしょうか?

 

京都の観光が目指す『持続的な観光』とは?

京都市観光協会は『観光による豊かさの向上を目指し、持続可能な観光地づくりを目指すこと』を目標とし、より具体的なゴールとしてこの3つを掲げています。

具体的なゴールの中に「京都観光モラル」の実践があります。この「京都観光モラル」は、京都が京都であり続けるための行動基準を示しており、その中でも観光事業者に対して4つの項目に分けて示しています。

すべての行動基準が観光や地域のためだけでなく、事業者も一緒に発展していくといった内容になっています。

主に事業者向けの行動指針を紹介しましたが、「京都観光モラル」はその他にも観光客と市民向けの行動指針も定めています。これらの行動基準をより深く理解するために、事業者と観光客の行動指針の具体例がホームページには掲載されています。しかし、市民に対する具体例は掲載されていません。

 

旅の心構え!“ツーリストシップ”

現在行われている持続的な観光のための取り組みとして、観光客向けの「ツーリストシップ」があります。この「ツーリストシップ」とは、旅先を大切にする観光客の心構えです。一般社団法人ツーリストシップの代表である田中千恵子さんが、『観光客が増えると、住環境は悪化する』といった京都での当たり前に違和感を抱き、2021年からこのツーリストシップの提唱を始めました。ホームページや書籍ではとても具体的に、どのような観光をすれば、その地域の環境に住民に良い影響を与えられるのかがたくさん紹介されています。

ここまで、京都市の観光の現状や持続的な観光に向けた目標と良い取り組みについてお話ししました。

様々な目標や取り組みが京都市にはありましたが、実際には京都市の観光は“持続的な観光”に日々近づいているのでしょうか?

持続的な観光に向けた取り組みが、観光において一番大切な観光客のワクワクや楽しみを奪ってしまってはいないでしょうか?

今一番ホットな話題である、祇園の私道を通行禁止にしたニュースがその例として挙げられるでしょう。

SIGHTSのカウンターに立っていると、観光に訪れた人たちとお話しする機会が多くあります。その中で一人の海外から来た観光客がこんなことを言っていました。

せっかく綺麗な日本の庭園なのに、至る所に注意書きの看板があって寂しい”

景観を守るための取り組みが、意図しないところで日本の大切な観光資源を壊してしまっているのかもしれない…とその時ハッとしたことを覚えています。

京都市の掲げる『“四方よし”の持続可能な観光』を実現するためには、3つの要素(市民・観光客・観光事業者)がより良い未来のために、同じバランスで目標に取り組むことが必要であると私は解釈しています。ですが、現状はどうでしょう?観光客と事業者の2つだけに取り組みが偏っており、そこに何らかのしわ寄せが行ってしまっているのではないでしょうか。

持続的な観光に向けた取り組みの例として挙げた「ツーリストシップ」の田中千恵子さんも『観光客と住民の両方が孤立しており、寄り添う関係にない』ことが問題の根本であると考えていらっしゃいます。

「京都観光モラル」や「ツーリストシップ」など事業者と観光客に向けた取り組み以外にも、市民の受け入れに関する取り組みがあっても良いのかもしれません。でもその取り組みが行われていないということは、何か理由があるのでは…。

私はこれからの持続的な京都市の観光に向けて、“市民の理解”がカギを握っていると考えています!

 

ピピーッ!前半戦はここまで!

後半戦では、そんな“市民の観光に対する理解“について一緒に考えていきましょう!

一旦ハーフタイム!ということで、またお会いしましょう!インターン生の梅田でした~

 

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