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SIGHTS KYOTOも2周年。3年目は「ビジネス」をテーマにしたい、とのこと。この記事では、西澤夫妻に3年目の展望やビジョン、そしてこの先に控えている「SIGHTS HOTEL」構想についてもお話を伺いました。

元々描いていたものが、ようやく「形」になり始めた

3年目を祝い、ビールを片手に、創業当初を思い返す西澤夫妻

SIGHTS KYOTOの開業当時(2022年)はコロナ禍の真っ只中だったと思います。大変だったことや印象的な出来事はありますか?

奈月さん:「地元の人と旅行者が混ざり合う場所を作りたい」という想いから、SIGHTS KYOTOを始めました。この場所から、地元の人も旅行者も快く受け入れられる空気感を作れたら良いなと思って。

徹生さん:地元の人と旅行者が交わって、もっと尊敬や感謝の気持ちが生まれたら旅行者もまた来たいと思えるし、地元の人も旅行者に寛容になれるんじゃないかなというのが元々のスタートでした。

しかし、開業時はコロナ禍で旅行者がほとんど来ませんでした。そこで、まずは地元の人に知ってもらうことにフォーカスを当てたんです。当時は「とにかく人を呼ばなあかん!」と思って気軽にお酒を飲めることをアピールしたり、スタッフの顔を出したりして、入りやすい空気を作りました。ただその結果、飲み屋さんのイメージが定着してしまって。「おお、これは思っていたのとちゃうぞ……」みたいに焦ったのを覚えています。

SIGHTS KYOTO1年目のときの様子

地元の人がメインで来ていたから、どうしても「飲み屋さん」のような雰囲気になってしまったのもありそうですね。

奈月さん:そうですね。コワーキングスペースよりも「気軽にビールや日本酒が飲める」の方がわかりやすいじゃないですか。どうしてもそのイメージが先行してしまいましたね。

徹生さん:色々な方が「なんかできたんや」と覗いてくださって。我々の中では確固たるコンセプトやビジョンがあったのですが、バーとコワーキングスペースが併設された観光複合施設という新しい概念だったため、少し話しただけではうまく伝えられなかったんです。

奈月さん:「朝から飲めるし、ビール安くて美味しいね」って、おっちゃんたちが午前中からカウンターに並ぶ日もあり「何やこれ、思ってたのとちゃう」みたいな(笑)。

うちで働くスタッフは若い子が多いので、最初の1年間は困ったお客さんも混じっていて、スタッフから相談を受けることもありました。「我々が考えるコンセプトやビジョンに共感して入ってくれたのに、それで辞められたらどうすんねん。これは軌道修正していかなあかん!」みたいな焦りはありましたね。

コロナ禍の営業を経て変わったこと・変わらないもの、それを通して感じたことは何かありますか?

徹生さん:逆に追い風もありましたね。コロナ禍でリモートワークが日本全国で普及しました。そういう意味では、当初描いていた遊びと仕事、旅行者と地元の人が交わる場所を、予想以上に早く実現できたかなと思っています。

奈月さん:オープン1年目はコロナ禍だったため、ゆっくりスタートできたのは自分たちにとっては良い面もあったかなと。

変化というよりは、元々描いていたものが、ようやく形になり始めた、と。

奈月さん:オープン半年後に日本への渡航がOKになって、少しずつSIGHTS KYOTOにも海外の旅行者が来るようになりました。地元の人たちと海外の旅行者が交流することが増えてきて「ようやく見たかった景色がきた!」という感じでしたね。

徹生さん:そうですね。コロナも終息して、ようやく思い描いていたSIGHTS KYOTOが実現できたのが1年目の終わり頃。質を上げたり、より高い価値を提供したりするために課題を1つずつクリアしていったのが2年目でしたね。

奈月さん:価値がわかる人は残って、そうでない人たちは離れていった感覚はあります。

徹生さん:そうですね。価値を伝え続けてそれに共感した方が残って、仲良くさせてもらっている印象かな。

3年目は「学び・気づきが得られる場所」でありたい

3年目を迎えて、今年のテーマを教えてください。

徹生さん:今年のテーマは「ビジネス」です。当初は観光目線で作った施設でしたが、コワーキングスペースの利用者の方こそ、そこの価値をより深く理解してくれたり、感動してくれたりする人が多かったんです。

たまに、SIGHTS KYOTOで交流会をしますが、自然に名刺交換が行われますね。今まで以上にビジネスで活躍している人たちの学び・気づきの場となれる可能性を感じましたね。

奈月さん:ビジネスといっても、単純に売上を増やしたいわけではなくて、価値観がアップデートされたり人間力が高まったりと「学び・気づきが得られる場所」にしたいという意味合いになります。

徹生さん:我々が事業を伸ばすことではなく、SIGHTS KYOTOがビジネスで活躍する人たちにとっての「学び・気づきが得られる場所」でありたいです。ただ、学びや気づきを得てもらうには、志が高い人、能力のある人や人間力の高い人が集まる場所にしていく必要があります。もっと、平たくいえば責任をもって仕事に取り組んでいる人や情熱を持って仕事している人。そういう人たちを集めることで、場としての価値も高まるのではないかと思っています。

今まで以上に、違った層にアプローチをしたいということですね。

徹生さん:そうですね。フリーランスや経営者の方々だけでなく、大企業に勤める人やグローバル企業に勤めている人にもアプローチしたいと考えています。京都の外からも海外からも、もっと多様な人が集まる場にしたくて。ここに来たら面白くて、かつ人間力の高い人と出会える、そんな場所にしたいですね。

カウンター奥のボードにも、大企業&グローバル募集の文言を掲載しています!

大企業に勤める人やグローバル企業の人を呼び込むために、現在取り組んでいることはありますか?

徹生さん:現在取り組んでいることは2つあって、1つが英語を話せるスタッフを採用したこと。ビジネスレベルの英語力はもちろん通訳もできます。もう1つが外部パートナーとしてアドバイザリーの方を招聘(しょうへい)したこと。どうしたら我々が考える理想の場を作れるか、そういう人たちを集めた先に何が生まれるか。今まさに壁打ちしてもらって模索している段階です。

奈月さん:「イエーイ!」と海外旅行者と盛り上がるのは我々でも可能なのですが、ビジネス英語となると難しいんです。去年、海外から視察が来たことがあって「どういう意図でSIGHTS KYOTOを作ったの?」と聞かれても、なんせカタコト英語なのでうまくニュアンスが伝えられなくて。「もっと私たちのビジョンを共有できたら、何か一緒にする動きに発展したかもしれんのに……」と当時は歯痒かったですね。

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前編はここまで。

後編ではニシザワステイの今後の展望やビジョンについて深堀りしています!

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