どうも、奈月です☽
これまでの私たちのこと、そしてどのような経緯や想いがあってSIGHTS KYOTOが生まれたのか…
その辺りのことを徒然なるままに、本日からBlogを書かせていただきます。
ご興味のある方は是非。シリーズ化していきますんで、よろしくどうぞ!
まずは軽く私たちの自己紹介をざっと
代表である夫・西澤と、妻である私は88年生まれの今年34歳。ミレニアル世代というやつです。
大学新卒で旅行会社に入社した同期で、お互いに旅行を一生の仕事に選んだ2人でした。
西澤が「自分の人生の中で一番楽しかった記憶ってなんやろう・・」と考えたときに頭の中に浮かんだ答えは”旅行”。
「旅行の仕事に就きたい」、そしてその先に
「いつか自分で宿をやりたい」
という夢を学生時代から持っていました。
旅行や宿泊は人の記憶に残るもの。人生の中でも忘れられない思い出になる一大イベントです。
みんな旅行をしているときは楽しい気分で、自然と笑顔になる。
幼い頃から「人を笑顔にしたい」という軸を持っていた西澤は、時には漫才コンビを組んでみたり、役者を目指してみたり…といろいろ回り道をしながら考え抜いた結果。
自分のつくる空間で人々に楽しく幸せな、笑顔溢れる時間を過ごしてほしいという想いから、旅行や宿泊に魅せられていきました。
私はというと、学生時代に好きだったのはヨーロッパ。
特にフランスに興味があり、大学では西洋史学を専攻していました。
とにかく”旅行・観光”が好きで、旅行会社に置いてあるパンフレットや、授業で使う資料集を眺めていたら何時間も経っていた…なんてことがざらにありました。
歴史や文化、それに付随して建築を好きになったのも同時期です。
そしてなにより、人と喋ることが大好き。
まずは旅行会社で働いて、そのあとは観光地でお客様を迎える側の仕事ができたらなぁなんて漠然と考えていました。
旅行会社で勤務した後、宿泊施設を開業
入社半年後に「おれ、将来自分で宿やりたいねん」と西澤に打ち明けられたときには、「こいつは一体何を言うとんねん?」と思ったのですが。
それと同時に「それが実現したとしたら、こんなおもろいことないなぁ。その景色見たいなぁ。」とこちらも乗り気になってしまったのがすべての始まりです。
旅行会社には4年勤務し、観光はもちろん、特に宿泊施設についてはかなり勉強させてもらったなと思います。
退職と同時に結婚し、西澤の地元である京都へ戻ってきた1年後、2016年に京都東山で京町家の一棟貸し宿【KYOMACHIYA-SUITE RIKYU】を開業しました。
いつか自転車のカゴに近所のブーランジェリーで買ったバゲットと、お洒落な花屋で調達したお花をガサっと入れてセーヌ河を走るんだ!と妄想を膨らませていたハタチ前後。
そこから約5年後、同じような姿でセーヌ河ではなく鴨川をチャリで爆走していました。
国は違えど文化や世界遺産が多く残るこの観光都市・京都という街へ嫁ぎ、自分たちのスタイルの宿を経営し、旅行者のお客様をお出迎えして楽しくおしゃべりもする…ある意味、あのときの自分が思い描いていたライフスタイルなんですね、不思議なことに。
自分たちだからこそできる、一棟貸しスタイル
KYOMACHIYA-SUITE RIKYUは一棟貸しの宿です。
開業当時、今から6年前の一棟貸しといえば
”大人数で利用すると安く泊まれる”
”チェックインは暗証番号で勝手に入室する”
そんなイメージでした。
旅行会社で働き、全国の素敵なお宿を勉強させてもらっていた私たちは、
「ハード・ソフトどちらも質が高い宿にしたい」
「貸切だけど、お客様とちゃんと交流する宿でありたい」
「少しでも京都の街に貢献できる拠点でありたい」
そんな想いを胸に、今思えば完全に我流で一棟貸し宿をオープンさせました。
チェックインの際は必ず私たちが宿でお出迎えし、手作りの行程表やガイドブックをお渡ししています。
旅行前からご相談を受け、そのお客様のご要望や旅行目的に合った行程やお食事のご提案もさせていただくなど、一棟貸しの宿にはなかったコンシェルジュサービスには特に力を入れました。
これは旅行会社出身、そしてこの地域に暮らす地元住民の私たちだからこそできるサービスだと思います。
そして宿で使うもののほとんどをメイドイン京都のものにこだわり、セレクトしています。
RIKYUで実際に使ってみて気に入ったものがあれば各店舗に買いに行っていただく、それも立派な”観光”のひとつであると考え、お部屋の中に京都の逸品を散りばめるという仕掛けをしました。
実際にご宿泊されたお客様が「気に入ったから買いに行ったよ!」と言ってくださると、微力ながら京都のお店の力になれたかなぁと思います。
モダンに改装したこの京町家は、西澤のおばあちゃんが暮らしていた、家族にとっても大切な場所でした。
空き家になっていた建物が息を吹き返し、街の景観も良くし、たくさんの人々に幸せな時間を提供している。
私たちとしても、家族の大事な家を綺麗な状態でまた次の世代へ受け継いでいける・・
ご近所のおじいちゃん、おばあちゃんたちも「あんたんとこのおばあちゃんにはえらいお世話になったのよ~可愛らしい方で大好きやったのよ~」と言ってくださり、温かく見守ってくださいました。
誰かを雇うことも外注することもなく、お客様の対応も清掃も丁寧に自分たちで行っていたので、ご近所さんも安心してくれ、関係も良好でした。
「関わるすべての人がハッピーやないか!なんて素敵なことや!」
そう思っていました。
ですが、KYOMACHIYA-SUITE RIKYUの開業からしばらく経ち、ひとつ気になることが出てきたのです。
一棟貸しは地元の人が立ち入れない空間だ
そうなんです。
ご宿泊のお客様には本当に喜んでいただき、日本国内だけでなく世界各国からたくさんのお客様をお出迎えしました。
しかし、宿泊施設、特にうちは貸切の宿だから地元の方が立ち入ることができない。
コロナ前の京都は外国人観光客の増加、宿泊施設の乱立、市バスの混雑、街並みの変化・・いわゆる”オーバーツーリズム”と呼ばれる状況になっていました。
地元の方々のためでなく、観光客のためだけの施設ばかりが目立って増えていたと思います。
そんな状況に地元では、「もう観光客は来なくていいわ」「またホテルか何かができるんやて」「立派な町家やったのに潰さはったんやなぁ・・」という、”観光”に対してネガティブでマイナスな声があがるようになりました。
そりゃそうです。
観光事業者として、つくる方にも責任があります。儲けのためにつくって、売って、終わり。後は知らんぷり。そんな無責任なこと、自分たちにはできません。
一棟貸しを増やすか、次はホテルをつくるか。そんな事業展開をイメージしていた私たちですが、このまま進んでいっても京都のためにはならない。みんなを笑顔にするはずの”旅行・観光”が、地元の人たちを悩まし、悲しませている・・
自分たちだからこそできることで、地元京都のためにやらなければならないことはなにか。
一度立ち止まり、しっかり考えよう。
ここから私たちは頭の中ぐるぐるぐるぐるの数年間を過ごすことになります。
考えてはまた振り出しに戻り・・計画を進めようとするも白紙に戻り・・
まぁいろいろありました。。
西澤の葛藤や苦戦や挑戦、次回に綴らせていただきます!
[…] 前回のblogは【”旅行・観光”でみんなを笑顔にしたい!】というえらいキラキラした若者らしい夢に溢れた題名で始まり、最後に1つの課題にぶち当たるところで終わっていましたね。(まだ読んでいない方は是非) […]
[…] 以前こちらのBlogで書いた記事の中にも、RIKYUについて記載があるので是非一緒にお読みください☟ https://sights-kyoto.com/archives/121 […]